2013年4月21日日曜日

高齢期の就労

年をとっても、仕事など生きがいを続けている人は強い。やりたくない仕事をやらさせる場合は別として、働きたい人が働き続けられることはきっと、健康にも良い影響を与えるはず。図はH22国勢調査結果から作成した、三重県内の65歳から74歳の就業率です。最も高いのは多気町39.7%で、最も低いのは紀宝町23.3%、南伊勢町は28.1%で29市町村中23番目です。高齢者就業率と平均寿命の間では、このデータで分析する限り、統計学的に有意な関連は認められません。南伊勢には養殖を続けている方、みかんづくりを続けている元気なシニアが多くいます。働くことは、健康に実際良いのでしょうか。良いとすれば、どんな仕事を、どのくらいやるのがいいでしょうか。研究を進めます。

三重県市町村別65歳以上就業率

三重県市町村別65-74歳就業率


2013年4月20日土曜日

健診受診率

しっくりこない話ですが、基本健診やがん検診の受診率を正確に知ることは現在、できません。それは健診も市町村で行うものもあれば、会社で行うものもあるし、個別の保険や自費で人間ドックを受ける人もあるからです。図は平成23年度地域保健・健康増進事業報告(厚労省)から作成した、基本健診およびがん検診の受診率(対40-74歳人口)で、その率にはかなりの差があります。これでは解釈も分析もできないので、健診機関や住民調査で実情を把握しなくてはいけません。



2013年4月19日金曜日

高齢期の一人暮らし

高齢期を一人で暮らすことは健康におけるリスク(危険)でしょうか。都市部と農村部の差も小さくないでしょう。地図でみると、紀南地区で高齢単身者率(高齢単身世帯÷人口)が高いことがわかります。これは女性が一人で過ごすから強くなり、平均寿命も長いのか、女性が長命だから統計上、率が高くなっているのかは不明です。私も男として、ご主人と離れストレスが少なくなるから、女性が長命になるとは考えたくないけれど。



2013年4月17日水曜日

家庭医療学リサーチパワー強化セミナー

4/25三重大学家庭医療学の医局にて、リサーチパワー強化セミナーを開催させていただきます。このセミナーは家庭医療、総合医療を学び、研究している方を対象に、研究力を高めていただくために実施するものです。私自身、大した研究力を持っている訳ではありませんが、いろいろな形で大学、地域、社会に貢献できよう努めたいと思います。

詳細は 三重大学 地域包括ケア・老年医学産学官連携講座 大西研究室 をご覧ください。







2013年4月16日火曜日

財政力指数と平均寿命

近年、社会経済的状況(socio-economic status; SES)が健康と強く関連していることが、多く知られてきています。そして健康格差の増大も大きな問題となっています。三重県内各市町村の平均寿命と高齢化率、財政力指数との相関を調べたところ、男性はそれぞれピアソンの相関係数r=-0.743 (p<0.001)、r=0.650 (p<0.001)と高い相関を有意に示しましたが、女性ではr=-0.148、r=0.099で有意な関連は認められませんでした。高齢化率と財政力指数もr=-0.807の高い相関があり、高齢化率で調整した場合、男性の平均寿命も財政力指数との相関は有意として認められなくなりました。地域相関研究(Ecological Study)は地域を概観するのには有用ですが、一断面だけ見ていると誤った結論が導かれる場合があります。以後、関連する要因を集め、慎重に検討したいと思います。




2013年4月15日月曜日

三重県市町村別平均寿命

三重県市町村別平均寿命の図です(上図:女性、下図:男性)。高齢化率が高い南伊勢町は長命かというと、実はそうでもありません。図は男性の平均寿命。女性を次の記事で示すように男性は77.8歳で最下位、女性は84.7歳で県下2番目に低い数値です。なぜ?地図では男性は海岸線の市町村が低い一方、女性においては紀南地区が伊勢志摩や紀北地区より高いことが示されています。この要因については、これから調べていきたいと思います。




2013年4月14日日曜日

南伊勢町の人口ピラミッド

図は南伊勢町の年齢別人口ピラミッドです(上図:2010年、下図:2030年)。将来人口推計は今年3月、国立社会保障・人口問題研究所から公表されたデータを利用しています。2010年から2040年まで5年毎に、三重県内各市町村であれば、同様のグラフがすぐ作成できます。保健医療に関わる方で、ご入用の方はj-onishi@clin.medic.mie-u.ac.jpにご連絡ください。県外についても、極力対応させていただきます。




2013年4月13日土曜日

三重県市町村別高齢化率

南伊勢町は65歳以上の高齢化率が43.2%と、三重県内でもっとも高齢化が進んでいる町です。地域包括ケアを先導すべき地域であるし、本講座が同町に拠点を構える主たる理由の一つです。図はいずれも2010年国勢調査より作成しました。


図1.高齢化率ランキング
図2.高齢化率
図3.人口分布

2013年4月1日月曜日

三重大学地域包括ケア・老年医学産学官連携講座が開設されました


平成25年4月三重大学医学系研究科にて、南伊勢町からの受託研究費を基に、地域包括ケア・老年医学産学官連携講座が開設されました。どうぞよろしくお願い申し上げます。